なつかしい~昔読んだ本(聖書)
昔読んだ本を読み直すと、その当時の記憶が蘇ってきて懐かしいものです。
洗礼を受けた35年以上前の大学生の時に、初めて読んだキリスト教関係の本もそうです。
この本を読んでいた頃は、まだ少しもキリスト教のことを知らなかったなあ、むしろ誤解していたなあと、当時の状況や感想が懐かしく思い出されるのです。
それら本の中には、当然ながら聖書があります。
ただ、いまも毎日読んでいるからかもしれませんが、私にとって聖書は過去を懐かしむだけの本ではありません。
むしろ聖書は、現在、そして未来をより良く生きるためのものです。
例えば、ヨハネによる福音書に、イエスの次の教えがあります。
「あなたがたに新しい掟を与える。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。互いに愛し合うならば、それによってあなたがたがわたしの弟子であることを、皆が知るようになる。」(ヨハネ13章34~35)
この愛の掟は、2000年も前にイエスが教えられたものです。私は35年以上前に初めてこの言葉を知りました。
しかし、私にとってこの言葉は懐かしいと同時に新しい、いつまでも色褪せない教えなのです。
聖書を開くと、きっと誰もが、どこか懐かしいような言葉を発見するでしょう。
同時に、その言葉は今日と明日を生きるための新鮮な言葉として心に響くでしょう。
それは聖書には、人間が本当に人間らしく幸せに生きるための神の叡智が凝縮されているからです。
それゆえに、聖書は宗教を越えて、世界中の人々の心に糧を与え、人生の道案内となってきました。
私たちも今日読む聖書の言葉を神のメッセージとして受け入れるなら、人生をより良く生きる知恵と励ましを得られるでしょう。
ラジオ「心のともしび」2015年11月放送原稿