二人三脚~守護の天使と共に
フランスやスペインでは、会話が途切れ、沈黙の時間が流れたときに、「今、天使が通りましたね」と、誰かが言います。
すると、なんとなく場がなごむのです。
天使がいないと思っている人はこれを品のいいジョークだと考え、天使がいると信じている人は天使のほほえみを感じてうれしくなるからかもしれません。
キリスト信者である私は、天使の存在を信じています。目に見えないけれど、すぐ近くにいて自分を守ってくれているのです。
その守護の天使は、私たち一人ひとりのために神様から送られました。生まれてからこの世を去るときまで、一生つきあい守ってくれる友達なのです。
もしも人生に疲れて自分の進むべき道を元気に歩けそうもなくなったとき、天使は二人三脚のように、ぴたりと寄り添い、私たちの歩みを助けてくれるでしょう。
二人三脚では、自分勝手に歩もうとすれば、バランスを崩して倒れてしまいますね。でも、相手の動きとリズムに合わせれば、結構楽しく楽に前に進むことができます。
私は、必要な物が見当たらなくなったとき、約束の時間に遅れそうなときなどは、よく守護の天使に頼んで助けてもらっています。
でも、頼んでいないことでもいろいろお世話になっているはずなので、できるだけ感謝するようにしています。
天使をいつも意識できればと思うのですが、姿が見えないので、私はついつい存在を忘れてしまいます。
そんなときは、天使の絵や像を見て思い出すようにしています。
ある聖人は、道を歩くときには、守護の天使の分だけ横にスペースを開けて歩くようにしていたそうです。常に守護の天使が共にいると意識するためでしょう。
私もこの人生の道を生涯の友である天使と最後まで楽しく歩めればと願っています。
ラジオ「心のともしび」2016年6月放送原稿