心の灯

「今日」の祈り~感謝・謝罪・愛の表明

死という人生のゴールは、不意にやってくることがあります。

生死の境目で、あと一日だけでも生きたいと願いながら亡くなった方々の無念さを考えると、今日、こうして生きていられるのは、実は、幸いで有難いことだと思えます。

以前、ある学校の教員研修会で講師を任されたときのこと。テーマが「いのちの大切さ」だったので、「もしこの世でいのちがあと3日だったら、あなたは何をしますか?」と尋ねて発表してもらったことがあります。

ある人が「大切な人に手紙を書きます」と答えて、なるほどと感じ入りました。

手紙なら普段面と向かって言えなかったことも言えそうですし、繰り返し読んでもらえます。

私たちも死を目前にして、もし手紙を書くことができれば、きっと家族や愛する人たちに、真心をこめて文字を綴るでしょう。

その手紙は思いのつまった長いものになるでしょうが、あえて短い言葉に置き換えるとどうなるか想像してみました。

「おかげで幸せな人生でした。本当にありがとう」という感謝。

「ごめんなさい」という謝罪。

「大好きです」「幸せを祈っています」という愛の表明かもしれません。

もしこのような言葉なら、死の直前を待たなくても良さそうです。

今日しか時間がないとすれば、今日伝えたほうが良い言葉もあるはずです。

祈りもそうです。特別な日を待たなくてもいいのです。

今日は、人生において二度とない時間、またとないチャンスです。

神様は、「ありがとう」「ごめんなさい」「大好きです」「祈ります」など、ご自分に向けた率直な言葉を待っておられるでしょう。

そして、まわりの人のためにも、今日できる祈りを今日捧げてほしいと願っていらっしゃるように思います。

ラジオ「心のともしび」2018年10月放送原稿