祈りの小路

祈りの小路~念祷(ねんとう)の前後の祈り

神様との親密な語り合いをするためには、そのための準備が必要です。

自分を神様のみ前に置き、祈りに必要な恩寵をいただくための「始めの祈り」を一つご紹介します。

「わたしの主、わたしの神、あなたがここにおられ、わたしをごらんになり、わたしの言葉を聞いておられることを、固く信じます。

深い敬いの心であなたを崇め、わたしが犯した罪のゆるしをお願いします。どうかこの祈りの時に実りをお与え下さい。

無原罪の聖母、父であり、あるじである聖ヨセフ、守護の天使、わたしのために執り成してください」

「わたしの主、わたしの神」、これは、使徒、聖トマの言葉で、主に対する信仰の薄かったことを改心と信仰と礼拝の心で償いたいと望む言葉です。

「あなたがここにおられ、わたしをごらんになり、わたしの言葉を聞いておられることを、固く信じます」
こうして祈る私達のすぐそばに主がおられ、私達が話し始めるのを待っておられるからです。

このように深い礼拝の心を抱きながら、「深い敬いの心であなたを崇め」と、主への敬意を表します。

次に神様の偉大さに比べ、私達の弱さ、自分のみじめさを認め、犯した罪を思いつつ、「わたしが犯した罪のゆるしをお願いします」と主に赦しを願います。

これは、神様と私達の親密さの障害となるものを取り除くためです。

その上で、次のように願います。

「どうかこの祈りの時に実りをお与え下さい。」「実り」とは、私達を神の子とする超自然の恵みです。

私達は、この恵みによって、永遠の生命を得るための良いわざを行なうことができるのです。

最後に、主キリストの最も近くに居られる方々に「取り成し」を願います。

私達のお母さんでもある「無原罪の聖母」、「父であり、あるじである聖ヨセフ」です。

それから、常に私達と共にいて、私達一人ひとりを助けるために、神様が置いてくださった「守護の天使」に「わたしのために執り成してください」と願います。

さて、念祷の終わりには次のような祈りを唱えます。

「わたしの主、この念祷で示してくださった良い決心と感情と教えに感謝いたします。どうか、これを果たすことができるよう、お助けください。
無原罪の聖母、父であり、あるじである聖ヨセフ、守護の天使、わたしのために執り成してください」

祈りを通して神様は私達にいろいろな事を、よりはっきり示してくださいます。

神様のみ前で自己を振り返る時、自分が今、努力すべきことが何かを知らされることもあるでしょう。

また、時には神様を自分のより近くに感じ、神様から慰めを受け、喜びのうちに念祷を終えることもあるでしょう。

あるいは、日常生活の場で起こった出来事を神様に話しているうちに、その超自然的な意味に気づき、そこに神様のメッセ-ジを感じ取ることがあるでしょう。

それらに感謝し、そのお陰で立てられた「良い決心」を果たすことができるように、助けを願って終わるのです。