祈りの小路

祈りの小路~神様への手紙

生まれつきの障害を背負った女の子の詩「神様への手紙」は、祈りそのものであり、私達が神様とどのように付き合っていけばよいかを教えてくれます。

神様への手紙

前田典子

神様 幼いころ わたしは

あなたにおねがいしました

何度も何度もおねがいしました

神様 わたしに足をください

自由に歩ける足をください

大きくなったらなおるんだって

そればっかり思っていたの

 

神様 幼いころ わたしは

あなたがきらいになりました

何度も何度もおねがいしましたのに

わたしの足は動かなくなった

いつまでたっても動かなかった

神様 ごめなさい 動かぬ足と涙だけしか

なんにもあとは見えかったの

 

神様 このごろ わたしは

あなたがすきになりました

たとえ足は動かなくとも

多くの友と愛する家族

自由な心と明日への希望

 

神様 ありがとう

あなたがわたしに何をくれたのか

やっとそれがわかってきたの

今、大きな声でいいたいのです

わたし   しあわせです

神様

これからもよろしくね

(愛知県教育委員会発行『みんな友達』)

ここには、まるで友達に語りかけるかのような率直な言葉が綴られています。

「‥‥してください」「きらい」「ごめんなさい」「すき」「ありがとう」「しあわせです」「よろしくね」

彼女の語りかけに対する神様の答えは言葉として書かれてはいませんが、彼女は確かに受け止めています。

「神様、ありがとう、あなたがわたしに何をくれたのか、やっとそれがわかってきたの、‥‥‥わたし、しあわせです」

私達のまわりに起こる出来事に神様からのメッセ-ジが隠れているのことを、祈る心は知っているからです。