時間という宝

計画を実行して時間を活用する

計画は、実行するためにあります。

高校生のUくんは、勉強の計画と実行の上手な生徒でした。成績は常に学年トップだというのも彼の勉強ぶりを見ていれば頷けます。

彼とその友達数人と勉強会をしたことがあります。その半日ぐらいの勉強会は各々が自分の決めた勉強を同室でする自習形式をとっていました。

そのやり方は、この項でお伝えしたいことの良い例です。

勉強会で計画を実行する

まずは、皆で計画を決めます。それは、勉強五十分間と休憩十分を一ラウンドとし、第五ラウンドまでするという単純なものです。

約束事は一つだけ、「勉強時間はしゃべない」ことです。私語をすれば、一緒に勉強している人の迷惑になるからです。

単純であっさりしていますが、これはやってみれば、相当きついスケジュ-ルです。普通の高校生ですとまず耐えられません。二ラウンド目あたりからモゾモゾし出してきます。

そして「おい、質問がある。ちょっと教えてくれ」とか言って、近くの友人に話しかけます。

友人が気易く答えてやると、そのコソコソ話はいつしか止まらなくなり、話題は勉強とは関係のない友達のウワサ話であるとか、どこそこのラーメンがうまいとかいう話に飛んでいってしまいます。

また、トイレに行くと言って席を立ち、なかなか戻ってこないなと思ったら、他の生徒と立話に興じていたり、新聞のスポ-ツ欄をながめていたりします。ついつい、十分の休憩が十五分になり、二十分になってしまいます。それが普通です。

しかし、Uくんたちは違いました。その相違点を三つあげます。

勉強会がうまくいった三つの要因

まず、彼らは「勉強時間はしゃべらない」という約束事を守りました。

そのため、質問があれば十分間休みにするか、第五ラウンドが終わってからにしようということも了解されていました。その方が、同室で勉強している友人のためにもなるし、自分の忍耐力を養うためにも良いということを理解していたからです。

第二に、Uくんたちは十分の休憩時間をきちんと守りました。

休憩時間に一人だけ勉強の続きをするということはなく、時間になるとスパンと勉強を断ち切りました。そして、この十分間に互いに思い切りしゃべりまくったり、冗談に笑いころげたりもしていました。

しかし、時計を見て時間に気づくと、潮が引いたように静まり、また勉強部屋の沈黙に戻っていきました。このようにして、彼らは自分たちの頭と心をリフレッシュさせるため、休憩時間をめいっぱい活用していたのです。

第三に、彼らは勉強会の利点をよく知っていました。

勉強会の利点は、一人だけの勉強では得られないものを得ることができることにあります。自分だけで計画を実行するのは難しいが、信頼できる友人となら実行しやすいということを知っていました。

Uくんの友達は誰もがUくんに一目置いており、Uくんとならよく勉強できると言って集まってきました。

また、Uくんの方も自分だけでは、挫折してしまうので友達と一緒にやった方がはかどると言っていました。このようにして、彼らは能率良く勉強をこなし、同時に友情も育んでいったのです。

計画の実行が長続きする工夫をする

勉強をするなら一人ではなく数人で行うことが効果的だということを言いたいのではありません。それは一つの方法に過ぎませんし、学習内容によっては非効率的であることもあります。

私が言いたいのことは、「計画を実行するためには、人間の意志は弱いということを考慮して、長続きするための工夫をすべきだ」ということです。

計画がうまく実行されない、続かないのであれば、それは意志が弱いからだけではなく、工夫が足りないからではないでしょうか。

誰であっても、工夫することによって弱い意志を強め、計画の実行を続けることができます。