物事には、何事にも優先順位があります。
「火事だ!家が燃えているぞ」という時に、腹がへったからと腰を下ろしてご飯を食べている人はいないでしょう。
まずは、自分や家族の命の方が大事で、そちらを優先すべきことは誰にでもわかることです。
その時にすべきことは何か?考えておく
今、その時に何が大切で、何を一番しなければならないかということは、火事のような特別な時だけでなく、日常生活でも考えておくべきことですね。
私たちの普段の生活で大切なことは何かというと、仕事、勉強、家族とのつきあい、まわりの人への奉仕、祈りなどになるのでしょうか。
どれが最も大切かというと、それはその時によって違います。
教会のごミサに行くべき時には、ごミサに行くことが大切です。家族とともに過ごすべき時には、家族と過ごし、家族のために奉仕することが大切です。
それを「今俺は、仕事や勉強で忙しい」と言っていつもなおざりにする人は、自分のことしか考えないと言われても仕方ありません。
その時点での大切な事や急ぐ事を優先し、個人的な事やどうでもいい事は後回しにする。これが物事の秩序を考えて行動する基準になります。
仕事をする時の時間的秩序
この基準を仕事を果たす時に活用するとしたらどうなるでしょうか。教師の仕事を例にして説明します。
小中学校教師の仕事のほとんどは、授業とその準備・クラブ活動の指導・学校行事の準備などです。
それでもそれ以外に、仕事リストを作ってみると、一週間に約二十の雑多な仕事があることはざらです。
それらを私は次のようにグル-プ分けをするように教えられました。
A:公的な仕事で、急ぐもの
B:私的な仕事で、急ぐもの
C:公的な仕事で、急がないもの
D:私的な仕事で、急がないもの
「公的な仕事」とは、私の場合学校全体にかかわる仕事で、たとえば職員会議に提出する書類の作成であるとか、公務となっている研修の仕事などになります。
「私的な仕事」とは、主に自分のクラス運営にかかわることで、たとえばテストの丸付け、宿題のチェック、学級通信の作成、教材作成など様々なものがあります。
Aのグル-プに三つの仕事があれば、当然A1,A2,A3という優先順位をつけます。その日までにしなければならないBのグル-プが四つであれば、B1~B4の順位をつけます。
そしてA1または、その緊急性に応じてB1からと順番に果たしていくのです。
こういうやり方をしていったおかげで、三つの効果がありました。
一つは、大事な仕事をし忘れたり、期限に遅れたりすることがなくなったということです。
二つ目は、どうでもいい仕事に無駄な時間を取られなくなったということです。
例えばDグル-プのものは多くの場合、しなくても誰も困らない「どうでもいい」事であることが多いのです。
三つ目は、仕事の能率が明らかに上がったということです。
このように、仕事の中味にも秩序をもたせることで、時間をさらに活用できます。
それは、ビジネスマンであれ、専業主婦であれ、学生であれ、どんな仕事や勉強に従事している人にも言えることだと思います。
たいていの人は、「自分は忙しい、忙しい」と思っています。
仕事を頼むと、秩序のない人は「忙しいからできない」と言います。
しかし、秩序のある人は、「忙しいけれどできる」と思って、すぐに取りかかるか、いつまでにするかをその場で決めてしまいます。