小事は大事

大きなことを夢みて小さなことを軽視する3つのタイプ

いつかは大きことをしてやろうと思いながら、目の前の小さなことを軽んずる人には、三通りのタイプがあります。

怠け者タイプ

第一は、いわゆる怠け者のタイプです。

この人は基本的に楽をしたいと思っています。今、勉強や仕事をしなければならないのは、将来の楽な生活のためだと考えています。本当はしたくないのです。

できれば、キツイことはしないで楽をしたいと思っています。ですから、自分の小さな義務や仕事に気乗りがしないと、色々な理由でそれを遅らせてしまいます。

また、自分の楽しみや気晴らしを優先して、しないで済ませようとします。

この人は、いつか大きなチャンスがきたら、その時こそ頑張ろうと思っています。「この次には本気を出すぞ」と口にすることもあります。

でも、その時が近づくと楽をしたくなり、目の前の小さな義務がイヤになって怠けてしまいます。そして、「やっぱりできない」、「この次こそは本気でがんばろう」と空しく繰り返します。

残念ながら、このようなことを繰り返すと、この人はまわりの人から信頼されなくなります。この人自身も、自分は苦しくなるとすぐに逃げ出す弱い人間だ、自分はどうせダメだ、何もできないと自己嫌悪に陥ってしまうのです。

自信家タイプ

第二は、いわゆる自信家タイプです。

この人は、ある分野で確かにまわりの人より上手に仕事や勉強などができます。自分には才能、能力があるという強い自覚があります。

そのために自分がしているような小さなことは誰にでもできる、自分の高い能力には合わないと思うのです。自分にはもっと大きなことができるし、そのようなチャンスが与えられなければならないとも思っています。

ですから、この人は今の自分の状態に強い不満をもっています。

そして、その不満の原因を自分以外のあらゆる人にぶつけます。自分はもっと大きな目立つことができるし、その能力もあるのに、そうなっていないのは、親のせいだ。結婚相手のせいだ。子供がいるからだ。会社の上司が悪いからだ。まわりの者が自分を認めないせいだ。がんじがらめにしばられているからだ、などと嘆くのです。

夢想家タイプ

第三は、第一と第二のタイプを足したような人で、いわゆる夢想家タイプです。

この人は、自分の輝く将来をいつも夢見ています。自分はそのために生まれてきたのであり、その輝く自分こそ本当の自分なのだと思っています。

この人にとって今の自分は仮の自分に過ぎません。しかし将来を夢見ているだけで、そのために何もしようとしません。何か大きなチャンスがくるのをただひたすら、持つだけです。

この人は、今の自分に不満をもち、今していることに対しても不満だらけです。本当は、自分はこんな平凡でちっぽけなことをするような人間ではない、こんなところにいる人間ではないと思っています。早く今の状態から抜け出したいとも思っています。

毎日が楽しくなく、本当の生き甲斐もありません。

要するに、この人は「今」を生きていません。自分の人生からも抜け出したいと思い込み、死んだ方が楽だとも思います。そして死を夢見て、死に逃れることもありうるのです。

この三通りの人たちが、幸せになるにはどうしたらよいのでしょうか。

将来の大きなことを夢見つつ、「今」をよりよく生きるにはどうすればよいのでしょうか。

それは、これからお話しする、目の前の「小さなこと」を通して生きる生き方と決して無関係ではないと、私は考えるのです。