老いるにも意味が…~自分を磨くチャンス
人間が老いていくのは、避けられないことゆえ、それには意味があると思います。
一般に年を取ると、髪の毛が少なくなったり、皮膚にシワやシミができてきたり、体力が落ちたり、体が言うことを効かなくなったりするものです。
しかし、これは当然こと。体はこれまで長い間、働いてきたのですから、古くなり衰えてくるのは自然の理(ことわり)です。
あなたの人生は、もう後半、そろそろ最後の旅路の準備をしておいたほうがいいですよ、と体が教えてくれている、私はそう考えています。
最後の旅路とは、天国に召されるということです。
人間は体と霊魂からできて、体は物質ですからいずれ滅びるのですが、霊魂はいつまでも残ります。
体の死を迎えたとき、霊魂がどういう状態かで、その後の行く先が決まります。たとえ体はボロボロでも、霊魂を磨いていれば天国に行けるのです。
では、霊魂を磨くには、どうすればいいのでしょうか。
まずは、謙虚であること。
体が老いると、自分であれこれするのが難しくなり、人に助けてもらわなくてはなりません。ですから、より謙虚になれる可能性が増します。
そして、感謝を忘れないこと。
これも体が老いてくると、人様にお世話になることが多いので、感謝できるチャンスが増えます。
さらに、愛徳を実践すること。
体が思うように動かなくてもできることがあります。たとえば笑顔で愛のある言葉を話すこと。
それだけで、まわりの人は、愛を感じるものです。
それに、病に伏した人でも、何もできないということはなく、お祈りで人を助けることができます。
こんなふうに、老いのおかげもあって、謙虚で感謝の気持ちをもち、愛徳や祈りを実践できます。自分をいっそうきれいに磨くことができるのです。
ラジオ「心のともしび」2015年9月放送原稿9