現代の日本人は、次第に夜型人間へと移行しているようです。
電灯がなかったころまでは、もともとは皆、朝型でした。夜型が登場したのは、文明の発達で夜も仕事や活動ができるようになったからです。
テレビやラジオが深夜放送を始めてから夜型人間は増えたと言われます。
遊ぶところは深夜まで営業するようになり、二十四時間開いているコンビニエンスストアーが登場して広がってきたのも、それを象徴しています。
しかしながら、実際に健康に暮らしている人、あるいは健全に働いている人を見ると、ほとんどが朝型のようです。
早起きは思考活動に適している
たとえば、受験生、有名大学の現役合格者を調査してみると、共通しているのは、朝食をしっかり取っているということだそうです。
中学生を見ていてもそうです。夜型の生徒は、学校から帰ると、おやつを食べて塾に行くか、寝てしまいます。
夕食をとるのは、八時を過ぎるころで、その後すぐには勉強できないので、しばらくテレビをみるのが習慣となります。
深夜になって、机に向かうと眠くなり、音楽を聞きながら勉強をします。朝は、遅くまで寝ていて、朝食はとれません。
生活に締まりがないので、そのまま学校に行っても授業はほとんど耳に入りません。
一方、朝早起きのできる生徒は、学校の授業を集中して受け、時間管理のけじめもつけられます。成績が良いのは言うまでもありません。
一般に、歴史上すぐれた思想家や学者だと名の残っている人は、早起きで長寿をまっとうした人が多いようです。
日本では、貝原益軒八十四歳、本居宣長七十一歳、親鸞八十九歳、中国では、孔子七十ニ歳、孟子八十三歳、西欧では、聖アウグスチヌス七十五歳。
長寿ではありませんでしたが、後世に偉大な知的遺産を残した聖トマス・アキナスも早起きでした。
早起きが思考活動に適していることは個人的なことに限定できません。西欧の知的伝統の源流であるカトリックの修道院の起床時間は非常に早かったことが知られています。
これは日本の寺についても言えることかもしれませんが、知的生活が組織的に営まれていたところでは、きわめて早起きで規則正しい生活をしてきたのです。
早寝早起きの利点は、大脳生理学的な観点からも説明できますが、私たちは自分の経験からも実感できるのではないでしょうか。
それゆえ、「早起きは三文の得」「朝の時間は金貨をたくわえている」のような格言は、東西を問わず語り継がれ滅びることはないのです。
早朝を有効活用する
では、この貴重な早朝に何をしたらいいのでしょうか。
早朝の新鮮な空気を吸いながらの散歩、ジョギング、体操など軽い運動をすると、体に良いし、頭の働きを良くするそうです。
読書をしたり、勉強の時間にあてたりするのも効果的かと思います。
やはり頭と気持ちを集中させて祈るのに朝は適しています。
いろいろなことができますが、私は、自分が最も大事に思っていることをしています。
それはごミサに与ること。それから、その前にしばらく祈りをすることです。この時間は私だけでなく神様にとっても大変貴重な時間です。
私にとって、ごミサは一日の中心であり、生き生きとした内的生活を送るためには欠かせないものになっているのです。