2024年2月22日に、あるカトリック大学の教職員の皆様に講演をさせていただきました。
大テーマは「キリスト教と教育」
講演テーマは「前向き・肯定的、感謝の心で元気に生きる」
でした。
「前向き・肯定的、感謝の心で元気に生きる」ために「7つのヒント」を提示しましたが、話を聞かれる方が、カトリック大学の教職員の皆様(学長はシスター)ということもあって、7つ目の「祈る」をいつもより詳しく、時間をかけてお話させていただくことにしました。
その内容は、一般の方にも役立つかもしれませんので、7つ目の「祈る」を以下にご紹介します。
祈る(1)
神様と話す
祈りとは神との対話です。祈ることによって、神とより親しくなることができます。
人の幸せを願う
一般的には、誰か(家族・友人・知り合い・被災者・自分など)のために、健康・安全・繁栄・成功、合格、復興などのために祈り願うことは多いと思います。
マリア様に願う
聖人に取り次ぎを願うことはよくありますが、聖母マリア様は、神の母、そして私たちの母でもあるので願い事の絶大な仲介者です。
祈る(2)建学の精神の実現のために
私立学校には、建学の精神があります。
この学校は、
「聖母マリアのように神様にも人にも喜ばれる人間の育成」
という建学の精神によって創立され、長く運営されてきた歴史をもちます。(学園の創立は1935年)
現在、付属幼稚園・中学・高校・短期大学、姉妹校も他地域に複数あるこの学園の教職員の皆様は、この精神(願い)をもって、教育活動をされているのです。
祈る(3)書物によってキリスト教を知る
ただ、カトリック信者が人口比の1%にも満たない日本では、カトリック校といえども、信者は少数で、教職員のほとんどは信者ではないのが現状です。
カトリックの精神に基づいて教育活動をし、建学の精神を実現するためには、ある程度、キリスト教への知識、理解があったほうが良いかと思われます。
そこで、先生方各自がキリスト教をより知り、知識と理解を深めるために、いくつかのことをご紹介しました。これらは、信者ではない方、学生さんにもお勧めできるものです。
まずは、書籍です。
キリスト教に関する書籍は、多数ありますが、
・『聖書』
『聖書』は、世界中で最も多くの人に読まれている本であり、歴史的、文化的にも、人類に多大な影響を与えてきました。
ただ、現代の日本人には分かりにくいかと思いますので、『聖書』に即した書籍を併行して読むとよいかと思います。
このブロブにも少し解説をしていますので、ご覧いただければ幸いです。
・キリスト教的な書物 「 」は出版社からの内容紹介
永井隆著『亡びぬものを』(サンパウロ)
著者の自伝的な小説です。真理を求めていた著者がどのような経緯で、キリスト教と出会い、導かれ、回心に至ったかが、感動的に記されています。
三浦綾子著『塩苅峠』(新潮文庫)
「大勢の乗客の命を救うため、雪の塩狩峠で自らの命を犠牲にした若き鉄道員の愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う」小説です。幼少の頃から、キリスト教を疎んじていた主人公が、いかにキリストの教えに殉ずるようになったか、実話を基にした感動的な小説です。
来住英俊著『キリスト教は役に立つか』 (新潮選書)
「信仰とは無縁だった灘高・東大卒の企業人が、いかにして30歳でカトリック神父への転身を決意したのか。なぜ漠然と抱えてきた『孤独感』を解消できたのか。旧約聖書から新約聖書、遠藤周作からドストエフスキー、寅さんからエヴァンゲリオンまで、幅広くエピソードを引きながら、ノン・クリスチャンの日本人にも役立つ『救いの構造』をわかりやすく解説する」面白い本です。
トマス・ア・ケンピス著『キリストにならいて』(岩波文庫・講談社等)
600年ほど前に、ドイツ人の修道者(司祭)によって、修道者のために書かれた信心書です。世界中で聖書の次に多くの人に読まれた本と言われ、学園の創立者は東北大学生の時に、この本に出会い、キリスト教入信を決意したそうです。
聖ホセマリア・エスクリバー著『道』(教友社)
現代の『キリストにならいて』と言われる信心書(黙想のしおり)です。50ヶ国語に翻訳、550万部発行され、多くの人の霊的な糧となっています。
祈る(4)様々な手段でキリスト教を知る
・個人的なカトリック要理の勉強
・YouTube 信仰養成連続講座『カトリック教会のカテキズム』(カトリック大阪高松大司教区)
・「心のともしび」(宗教法人 カトリック善き牧者の会)全国ラジオ放送・ネット放送・毎月の機関紙・DVDなど
・『The Chosen (選ばれし者)』 (ANGEL STUDIOS) 世界中で大人気のキリストと弟子たちのドラマ 無料ネット配信・アプリ
ブログ『聖書と祈りと幸いと』(中井俊已) 『教養として知っておきたい聖書の名句』『祈りの小路(こみち)』『小事は大事』『時間の活用』なども収録
祈る(5)様々な祈り方
・聖像、聖画を見て
・静かな場所で
・聖堂で
・学生・同僚・家族らと共に
・仕事を通して
・良心の糾明をする
・ミサに参加する
・黙想会に参加する
祈る(6)学園標語によって
「 マリアさま いやなことは私がよろこんで 」
この学園の標語は、創立者の江角ヤスシスターの言葉です。この素晴らしい言葉は、そのまま祈りになっており、私は次のような実りがあると考えています。
1)聖母と共に居ることができる
2)仕事・勉強を祈りにできる
3)自分を聖化できる
4)人を幸せにできる
5)キリストと一致できる
祈る(7)「いのちを育む知性と愛」の学び舎で
神様、マリア様、天国の創立者、諸先生、先輩の方々に見守られながら、この世と後の世の永遠の幸せのために