茨が伸びてそれをふさいでしまった(マタイ13-7)
ほかの種は茨の間に落ち、
茨が伸びてそれをふさいでしまった。
Other seeds fell among thorns, and the thorns grew up and choked them.
(マタイ13-7)
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これは、有名な「種を蒔く人」のたとえ話の一部です。
種を蒔く人が蒔いた種は、落ちた場所によって運命が変わります。
ある種は道端に落ちて、鳥が来て食べてしまいます。
ほかの種は、石だらけで土の少ないところに落ちます。
すぐに芽を出しましたが、そこは土が浅いので根がないで枯れてしまいます
そして、ほかの種は茨の間に落ちて、茨が伸びて種の成長をふさいでしまうのです。
イエスは、聞く人が分かりやすいように、当時の人々にとって身近なたとえ話をしました。
そのたとえ話には、現代にも通じる真実があります。
種というのは、神の御言葉のことです。
また、種が落ちた場所はそれ言葉を聞いた人の心を表します。
道端は、御言葉を聞いても受け入れない人のこと。
石だらけの土の少ないところは、はじめは喜んで受け入れても根がないので、艱難や迫害があれば、つまずいてしまう人のことです。
茨のあるところは、御言葉を受け入れますが、世の思い煩いや富への誘惑が御言葉をふさいで、花も咲かず、実りも生まない人のことです。
イエスが生きておられた時代も、現代も同じです。
神の御言葉である聖書を読んで、受け入れる人もいれば受け入れない人もいます。
喜んで受け入れても、後で捨てる人もいます。
知識として知っていても、行いに結びつかない人もいます。
今も、この聖書の言葉は、現実として繰り返されているのではないでしょうか。
蛇足ですが、ミレーの名画「種を蒔く人」をかりて、社のマークにしている著名な出版社がありますよね。岩波書店さんです。
出版の仕事というのは、世の中に種を蒔く仕事なのかもしれません。