新約聖書

死ねば、多くの実を結ぶ (ヨハネ12-24)

死ねば、多くの実を結ぶ (ヨハネ12-24)

一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。
だが、死ねば、多くの実を結ぶ。

Unless a grain of wheat falls into the earth and dies, it remains just s single grain; but if it dies, it bears much fruit.
(ヨハネ12-24)

これは、イエス・キリストの十字架でのご死去を直前にして語られた言葉です。

イエスは、自分の死の意義を地に落ちる麦にたとえて語っておられるのです。
この「一粒の麦」とは、イエス自身のことです。

「多くの実が結ぶ」とは、人類が救われるということです。

イエスは人間の罪を背負い、償うために十字架でご死去なさいました。
それによって、人類の救済が成し遂げられたのです。

わたしはこの言葉を読むと、三浦綾子さんの感動的な小説『塩狩峠』を思い出します。

主人公の青年は、長い間病身であった恋人との待ちに待った結納の日、その恋人のもとへ行くために、ひとり列車に乗ります。

ところが、こともあろうに青年を乗せた列車が、峠の下り坂でブレーキがきかなくなり暴走し始めたのです。青年は鉄道員でしたので、手段を講じて列車を止めようとしますが、どうしてもできません。

列車は、ますます速度を上げます。
このままでは、カーブに差し掛かったところで、列車は横転し、多くの乗客が生死にさらされる。

そう考えた青年は列車の前に身を投げ、自分の体を車輪の下に置くことで、列車の暴走を食い止めました。
そして、乗客全員を救ったのです。

これは、実際にあった出来事と人物をもとにしている小説です。
自分の命をも人のために捧げるとき、多くの実りが生まれることを信じたいと思います。