時間という宝

『時間という宝』はじめに~何のために、どのように時間を使うか

★はじめに★

誰でもそうかもしれません。

どんな時間の使い方をすればもっと幸せになれるのだろう。

幸せにすることができるのだろう。

そういうことを、これまで私も時折考えてきました。

誰にでも一日二四時間が平等に与えられています。

その時間の使い方によって、人は生き生きと有意義な時間を持つこともできます。ダラダラと悔いの残る時間を過ごすこともあります。

仕事上の成功を収めることもできます。その逆もあります。

与えられた時間の使い方によって明らかに差が生じ、生き方が、人生が変わるのです。

書店の棚を見れば、そこには「時間の活用」「時間の効率化」に関する本が所狭しと並んでいます。私もそれらの本を読んで、どれだけ時間を活用する方法を教えられたかわかりません。

しかし、それらの本が役に立ったといっても、実際は「ハウツー」として時間への対応の仕方を学んだに過ぎませんでした。

それらの多くは、「何のために」という目的意識が欠落しているか、あるいはビジネスでの成功という人生の二次的目標しか上げ得ないものばかりだったのです。

時間がいかに大切なもので、何のために、どのように活用すべきかということの多くを私はこれまで「キリストの教え」から学びました。

「時間の活用法」を説く一般の書物には見られない高邁で深遠な神様の叡智を知ることができました。

小手先の技術ではなく、人生の根本に関わる生き方を知り、目が開かれる思いがしたものです。

キリストの教えを全く知らなかった学生がその勉強を始めて、ほぼ二十五年にもなります。その間に私が教わったものを集めてみたのがこの小さな本です。

本書を書くに当たっては、学校の仕事で私が出していた学級通信を書く気楽さで書こうと考えました。一つ一つがまとまった短い話となり、どこから読んでも良いようなスタイルにしています。

この本を読まれる方の多くは、カトリック信者の方かあるいはカトリックの教えに好意、少なくとも興味を持たれている方でしょう。

自分自身を向上させたい、そのためのヒントを得たいと思われている方かもしれません。

そのような方々のために本書が、何がしかの「日常の糧」となれば幸いに思います。

拙著『時間という宝』(くすのき出版)2003年2月28日発行

時間の活用は、目的達成にある時間の活用は、目的の達成ということに関係があります。 よく知られているイソップ童話の「うさぎとかめ」の話を思い出してみましょう。 ...