時間という宝

時間を活用するために計画を立てる

賢者はふさわしい時ということを心得ている。何事にもふさわしい時があるものだ。(コヘレトの言葉 8-5~6)

時間を活用しようと思えば、まず計画をつくることが必要です。

ある中学生の話。Aくんは、試験一週間前にやる気満々の顔をして私に言いました。

「先生、今度のテストは俺、がんばるよ。五教科400点を目指して勉強するからね。期待しといてください」

その後しばらくして聞いてみました。

「Aくん、勉強は、はかどってるかい」

「はあ、それが、その‥‥。一日目に夜の三時までがんばったんですけど、それがこたえて次の日はもう眠くて‥‥」

「ほう、がんばったんだね」

「いえ、あの、学校から帰って、まず仮眠を取ってから夜起きてからやろうと思って寝たら‥‥、目がさめると朝になっていました。はあ‥‥」

Aくんの試験の結果は、それはもう惨たんたるものでした。

その次の試験。Aくんに試験前1週間の勉強計画をつくるように言い、簡単な計画用紙を渡しました。

それはB4一枚の紙で、横枠が日付けになっており、縦枠が教科の欄になっています。一目見れば、その日どの教科の何をどのくらいの分量勉強すれば良いかが分かるようになっています。

分量というのは二つの意味があり、一つは教科書や問題集などのペ-ジ数のことであり、もう一つはそれをこなす予定時間(分単位)のことです。

この計画表をAくんは、自分の目標や都合に合わせつくっていきました。

その結果、彼の成績はまわりの友人たちを驚かせるほどの伸びを見せます。 彼に聞くと、すべてが計画通りにいったというわけではなかったようです。

しかし、少なくとも、これまでのように行き当たりばったり、その時の気分にまかせてする無軌道なやり方よりも、計画を立てた方がはるかに能率良く勉強できることを身をもって悟ったようでした。

中学生に限らず、たくさんの仕事や勉強をかかえる私たちには計画が必要です。

今日一日のスケジュ-ルを決めていれば、仕事や勉強はグーンとはかどります。

さらに一週間のスケジュ-ル、一カ月のスケジュール、一年の予定という具合に、計画を立てることは、仕事を効率良くこなそうとするビジネスマンにとっても、極めて常識的なことです。

人によっては、十年計画、二十年計画を持ち、実践している人もいるぐらいです。

ところで、計画が必要なのは、ただ仕事や勉強を能率良く果たすためだけではありません。

「生活の計画をたてていなければ、決してきちんとした人間にはなれないだろう」(『道』76)

と言われるように、徳を磨くためにも、生活上の計画は必要です。

様々な徳を身に付けたきちんとした人間であれば、日常生活の大事なことをその時の気分でしなかったり、忘れたりすることを避けるために、その時間をスケジュールの中に組み入れているものです。

たとえば誰かと約束した時間、集まりの時間などに遅れないで、いつもきちんと時間を守れる人はそのための努力をしているのです。

そのような努力は、祈りをいつするかということにおいても必要です。

一日のうち、いつ祈るのかという内的生活上の計画をもっているでしょうか。気分にまかせていては、忙しさにかまけてか、まず祈れないものです。

多くの効果的な祈りをするためには、一日のスケジュールの中に祈りの時を決めておくことが大事なのです。