子供のように(マタイ18-4)
心を入れ替えて子供のようにならなければ、決して天の国に入ることはできない。
自分を低くして、この子供のようになる人が、天の国でいちばん偉いのだ。
Unless you change and become like children, you will never enter the kingdom of heaven. Whoever becomes humble like this child is the greatest in the kingdom of heaven.
(マタイ18-3~4)
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「いったいだれが、天の国でいちばん偉いのでしょうか」(マタイ18-1)という弟子たちの問いに対するイエスの答えです。
イエスに選ばれた弟子たちは、漁師や税吏などを仕事にしていたごく普通の人々でした。
ときには、だれがいちばん偉いのかということで、言い争うことがありました。
それぞれに言い分があり、また自分のプライドもあったのでしょう。
議論の末に、では先生に尋ねてみようということになったのです。
彼らには、モーセ、アブラハム、ダビデなど、旧約時代の義人たちのうち、だれの名前が告げられるのか、という尽きぬ興味があったと思われます。
あるいは、いまイエスに従っている自分たちから選ばれるかもしれない、という淡い期待もあったことでしょう。
しかし、イエスの答えは彼らのまったく予期せぬものでした。
イエスはひとりの子供を呼び寄せ、弟子たちの中に立たせて、「子供のようにならなければ、決して天の国には入ることができない」と言われたのです。
幼く純真な子供を目にしながら、それまで熱く言い争っていた弟子たちの高慢心は、このときいっぺんに萎んだことでしょう。
この世でどれほど力があり、知識があり、富をもっているかは大切ですが、天国に入るためにはあまり役に立たないようです。
どれほど力があり、知識があり、富をもっていても、子供のようになれる人。
自分を低くして、謙遜で素直になれる人。
天国の門はそのような人に開かれているのです。