人はパンだけで生きるものではない(マタイ4―4)
人はパンだけで生きるものではない。
神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。
One does not live by bread alone, but by every word that comes from the mouth of God.
(マタイ4―4)
この言葉は、イエスが荒れ野で四十日間断食をした後、悪魔の誘惑に対して発せられたものです。
「神の子なら、これらの石がパンになるように命じたらどうだ」(マタイ4-3)という悪魔の誘惑は、イエスの力と神性を試すものでした。
イエスには石をパンに変えることは簡単でした。パンだけでなく、肉でも、魚でも、野菜でも何にでも・・・・・・。
後に、カナの婚宴で水をぶどう酒に変える奇跡をしましたし、荒れ野でわずかなパンや魚を増やし、五千人以上もの人に食べさせたこともありました。
しかし、それらはみんな他の人のために行なった奇跡です。
自分の空腹を満たすために、悪魔の誘いに乗ることをイエスは拒否されます。
そして、人は物質的なものだけではなく、神の口から出る一つ一つの言葉、つまり精神的なものによっても生きると言われるのです。
わたしたちの生活を豊かで幸福なものにするには、精神的に豊かさが必要です。
ところが、近年の日本では、この精神的な豊かさが失われつつあるのではないでしょうか。
仕事や育児につかれ、ストレスをため、不平不満がついつい口に出てくる、そんなことはありませんか。
マザー・テレサが来日したとき、「日本は物質的には豊かな国なのに、精神的には疲れ、愛に飢えている人が多い」と、言いました。
それは、いまも変わっていないように思えます。
人間は身体と霊魂からできていますから、わたしたちには毎日、物質的な糧と精神的な糧が必要です。
ご飯を食べなければ身体がやせ細っていくように、心にも栄養を与えなければ心はやせ細っっていくのではないでしょうか。
聖書を読むことで、心に栄養が与えられればいいですね。